第 2 章 ( 後半) 対称性で割る | 無限次元
2.13 大事な性質:有限次元になる
2倍になりますから。で、この2というのは、が何次元でも同じなんですね。これは、なぜ、こ の話が2次元だけあるかということと関わっている。だから、この汎関数の、今、書いた、(2.76)
のこの性質ですね、これは が2次元じゃないと成り立たなくなってしまう。ど ういうことかと いうと、habというのが 、,2habになるんですが 、volume form というのは、 のの次元
乗の、volume form になるんですね。こいつとこいつがぴったりキャンセルするのは、が2
次元のときだけですから。2次元でないと、(2.76)の式はうまく出ないんです。
2.13 大事な性質:有限次元になる
Met()Map(;M)! Met()Map(;M)
Di(;~z)nC+() n: skew product (2.79)
そこで、これ 、もう一回割ります。今度はこいつをこれで割るわけです。そうするとですね、再 び非常に大事な性質として、次のことが出て来ます。
大事なこと
Met()
Di(;~z)nC+() は、有限次元になる。 dim = 2 (dim = 3のときは、無限次元)
(2.80) のmetric全体というやつを考えて、そいつをですね 、のdieomorphism全体という群で
割って、さらに、上の正値関数、|これ 、本当はskew productですね|こいつで割って。
上の、これとこれの作用は交換可能じゃないですね。あの、baseを動かすと入れ替えだから、こ
れ 、skew product. 両方で割ると、これは有限次元になることが証明できる。これは非常に大事な
性質で、これはですね 、が2次元ということが役に立つんです。
ど うしていろいろ注意しているかというと。が2次元のやつというのは、topological sigma modelの中で、string theoryと関係あるやつなんだけれど も、ここ数年、を3,4次元にすると
いう話が 、いろいろ出てきているんです。それは、非常にうまくいかない理由がいっぱいあるわけ ですが。特に、これは一番うまくいかない。こういうところで、ものを積分したいわけですけれど も、無限次元のところで積分するというのは、話が困るわけです。で、無限次元で積分することは できないから、これを対称性で割ってしまって、有限次元の積分に話を帰着したいんです。そのと きに、今考えているですね 、被積分関数の対称性と、商空間上の積分というのが。
今の場合に何をやるかというと、のdieomorphism, つまり、座標変換と、metricを定数倍
すること。この2つの操作を使ってやると 、有限次元に落ちてし まうということが実はある。こ れは、リーマン面の場合、つまり、2次元の場合に特有の現象です。ところが 、3次元以上の多様
体に関して同じことをやっても、無限次元の多様体にしか落ちてくれないんです。無限次元ですか ら、そこに落としたからといって、話が分かりやすくなるとは限らない。
の概複素構造 ( 高次元でも適用できるように、概を付けた) (2.81)
今、2次元多様体 を考える。の複素構造を考えてみます。の複素構造とは何か。定義 は、高次元でも通用するように「概」を付けておきます。
( J :Tp!Tp; 8p
J2 =,1 (2.82)
の概複素構造1は何かといいますと 、J というですね 、tangent space Tpから 、tangent spaceTpへの、こういうmapがあって、こいつJ を2回やると、,1になる。こういうもの
です。
Tp =R2
Jをp,1倍だと思う
J :Tp!Tp =C (2.83)
TpはR2 なんですが 、ここで、Jというのをp,1倍する操作だと思うことによって、Tp
というのは、複素ユークリッド 空間と思えます。Tpの複素ユークリッド 空間としての思い方と いうのを、まあ概複素構造というわけですけど 。
8(;h) h:計量; Tp上の内積 (2.84)
これから、こういうことが分かるんです。今ですね、と、hという任意の計量に対して、何 か、J というのがあって、これは、orientedです。
1(n;m)-テンソルとは、
TMTMTMTM!R
のことである。よって、(1;1)-テンソルは、
TMTM!R
となる。TMからTM への写像Jは、(1;1)-テンソルと見なせる。
0
B
B
@
* J : TM!TMとすると、J(v)2TM
ゆえに、w2TMに対して、w(J(v))2R
よって、J : TMTM!Rを (v;w)7!w(J(v))と定義できる。
1
C
C
A
さて、n次元複素多様体Mは、2n次元実多様体と見なせる。その座標を(x1;y1;:::;xn;yn)とすると、
@x@i ! @
@yi; @@yi !, @
@xi
と対応させることによって、写像J : TM!TM(つまり、(1;1)-テンソル )で、J2=,1となるものが作れる。これ を踏まえて、逆に 、2n次元実多様体M に対して、(1;1)-テンソルJで、J2=,1を満たすものが与えられたとき、
Mに概複素構造が与えられたと言う。(岩波・数学辞典 第2版p.265参照。)
概複素構造とは 、TpM にCnの構造を入れられるようなM の構造である。(物理学者のためのトポロジーと幾何学
C.ナッシュ, S.セン著p.167参照)概複素構造については、第3章で、もう一度触れる。
2.14. 概複素構造 53
9J
( h(JV;JW) =h(V;W)
h(JV;V) = 0 (2.85)
ど うし てかというと 、これは 、ほとんど 明らかでし て。各点 p で考えるんですが 。 Tp の orthogonal basise1,e2をこっちに代入する。90度回転。
* Tpの正規直交基底e1;e2 e1;e2は向きを保つ
( J(e1) =e2 J(e2) =,e1
(2.86)
Jは(Tp;h;p)で決まって、e1;e2の取り方に依らない。 (2.87) 2次元であることを使うと、J はですね、Tpと h,pで決まっている。e1,e2は、向きを保つ
正規直交基底です。要するに 、J というのは 、e1,e2の取り方に依らないわけです。これは、線 形同型。このJ は、正の向きに90度回転ですから。これも2次元を使っていますけれど も。
(;J) : 2次元の概複素多様体 (2.88)
次にですね、もう一回、2次元を使います。2次元の概複素多様体というわけですが 。
8p2; 9':pのneighbourhoodの座標; ':Up!R2 =C (2.89)
今、任意の pに対して、'という、pのneighbourhoodUp の座標がある。要するに、Up か
ら、R2 上に行くわけですが。これ 、C だと思って。
q2Up
Tq!T'(q)C =C (2.90)
qを Upの任意の点とすると、Tqは、'の微分によってT'(q)C に写る。これは C ですけれ
ど も。
Tq!p,1倍に写る
つまり、localには(;J)はC と思い、複素多様体(complex manifold) (2.91) (;h) (;Jh)
# .
(;J) 2次元complex manifold (2.92)
ここにJ というのがあるわけですが。これは、この
p
,1倍。つまり、localには、J は、C
と。こういうとき「概」を付けて、概複素構造という風に言います。 (;h)を考えると 、こいつ
からですね、こういう、(;J)という複素多様体があるんです。リーマン面ですけれど も。
( h(JV;JW) =h(V;W)
h(JV;V) = 0 は、hをhに置き換えても同じ (2.93)
さっきの条件というのは、h(JV;JW)というのが h(V;W)で、後、h(JV;V)が0でした。こ
れはですね、hを 倍のhで置き換えても同じなわけです。だから、これは、(;h)を (;h)
としても同じことです。
Met()=C+() Di(;~z)
Hol() =fJjJ2 =,1g Di(;~z) (2.94)
さっき、Met()を C+()で割ったこういうところから、Hol()へのmapができた。リーマ
ン計量の共形類から複素構造への写像ができたわけです。これが実は同型になっているというのが 良く知られている。さらに、Di(;~z)というのが作用するわけですが。
J :T!T : !
( J)(V) = (d ,1Jd )(V) (2.95) Di(;~z)の作用は何かというと。 J :T!Tというのを J で写したというのは、こう なるんですね。
Hol(;~z)
Di() =Mg;mは、6g,6 + 2m次元のorbifoldになる。 (2.96)
そこでですね 、こういうことが成り立ちます。Hol()というのを 、Di(;~z)で割ったやつと
いうのは 、有限次元のorbifold | orbifoldについては、後で説明しますが2| 6g,6 + 2m次元
のorbifoldになる3。これは、誰でしょう、リーマンかな。大切なことは、こういう複素構造の話
に持ち込むことによって、Mg;m というのが有限次元になるということで。これは概複素構造な んですが。これが自動的にいつも複素構造になるかというと、そういうのは2次元特有の現象で、
高次元では期待できない。
Met()Map(;M)
Di(;~z)C+() (2.97)
Met()
Di(;~z)C+() =Mg;m (2.98)
2第3章で説明する。
3これについては、第3章でもう一度述べる。
2.15. 今後の話の見通し 55
図 2.2: Orbifold : m= 4,g= 3
これは有限次元空間です。この商空間は、モジュライ空間というもので。gは穴の数で、mは
点の数です。今、こういう有限次元の空間を考えます。そうするとですね、さっき、metric全体と
いうのとmap全体というのを考えて、これを、この2つの群で割ったわけです。
ev : Map(;M)!Mm (2.99)
さっきのevaluation mapというのは、Map(;M)というところから、Mmへのmapです。
R
Mg;mDhR D'ev(u1u2um)e,E(h;')
Mg;mは、全部でなく、一部分でもよい
u1;:::;um2HDR (M)
(2.100)
さっき考えた積分というのは、結局こういうことになるんですね。まず、後から積分するのは、
Riemann面の複素構造の方であるとします。その前に、mapの方で積分して、evaluation mapの u1u2umの e,E(h;'),これは、well-denedです。こういうことですね。この積分をも うちょっと一般化したいんです。Mg;m 全部で積分しているんですが 、これは全部でじゃなくて、
一部分で積分しても十分なんです。一部分というのはど ういうことかといいますと。
[w]2H(Mg;m)を取る (wは submanifold) (2.101)
今、何でもいいからですね、[w]という、Mg;mのホモロジーの元を取りましょう。wは、有
限次元の部分多様体ですけれども。
wDh ev(u1u2um)e,E(h;')D' (2.102)
そこで、Mg;mでの積分の代わりに wでの |wは、有限次元ですから |こういう積分をす
る。u1から umというのは 、ド ・ラム コホモロジーの元。こういうことを計算したいんだとい うことだけ説明しているわけで、この積分が実際に実行できるわけじゃないんですが 。もうちょっ と正確に言いますと、こうなんですね。
話をちょっと変えて、[w]と [ui]だけで決まるようにできる。 (2.103)
この積分が 、wのhomology class [w] と ui のcohomology class [ui] だけで決まるようにで
きる。話をちょっと変えて、この(コ )ホモロジー・クラスだけで決まるようにできる。これは全
然、trivialじゃなくて、この式をまともにやると 、そういうことは言えないわけで。これがです
ね、topologicalな状況、そういう状況では、これを 数学的に解釈できる というものなんですが 。
ええと、それはまた次にして、今回はここまでにしたいんです。
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